【給与計算】給与計算はどうして必要なの?
給与計算はなぜ大切なの?
給与計算は「期日までに」「正確に」行われることが当然と考えられています。一定の期日までに給与計算ができないと、定められた給与支給日に従業員に給与を支払うことができませんし、計算のプロセスでどこか一ヶ所でも間違いがあると、最終的な支給額も正しくないものになってしまうからです。
企業と従業員は、労働に対して給与(報酬)を支払うという労働契約で結ばれています。理由のない遅配や支給ミスなどあれば、従業員の企業への信頼は大きく損なわれてしまうでしょう。しっかりした給与計算は、労働契約の根幹を支える業務なのです。
また、日本では所得税や住民税は、企業が従業員に代わって源泉徴収し、税務署や自治体に納付することになっています。さらに、健康保険や厚生年金保険といった社会保険料の従業員負担も、企業が給与から控除して、社会保険事務所や健康保険組合に納付します。これらはすべて法令で定められており、最新の法令にそってきちんとした処理を行わないと、コンプライアンス(法令遵守)の観点からも問題が生じてしまいます。
法令といえば、残業代の支払いや休業した場合の言及の限度額などについても、さまざまな労働法による規定があります。法令に従った正しい給与計算方法をとっていないと、残業代の未払いなどを労働基準監督署などから指摘される可能性もあります。労働法も、税や社会保険と同様、毎年のようにそのルールが改定され、いずれもかなり複雑です。とはいえ、これらは「知らなかった」で済まされるものではありません。従業員と社会に対して、企業はきちんとその役割を果たしていく必要があります。間違いがあった場合のダメージは大きく、対応には大変な手間やコストが必要となることにも留意しなくてはなりません。
このように給与計算は、企業にとって非常に重要な業務なのですが、できて当然と思われていることや、直接利益を生む業務ではないことなどから、なんとなくルーティンで行われているのも事実でしょう。