メンタルヘルス対策
ストレスチェック・メンタルヘルス対策
従業員のメンタルヘルスは重要な経営リスクです!
ついに、平成27年12月から50名以上の事業所に対してストレスチェックの実施が義務づけられました。
昨今の経済環境の不透明感、労働環境の変化、核家族化、ゆとり教育等の様々な要因から、メンタル不調者は増え続けており、企業活動にも大きな影響を与え始めております。
厚生労働省によれば、2014年度において、「心の病」で労災請求をした人が1,456人と、統計開始以来最高になっており、また、勤務問題を理由とする自殺者が2,323人(2014年)と、メンタルヘルスの問題は、50名以上の企業はもちろんのこと、50名未満の企業でも避けて通れない時代となっており、緊急の課題となっております。
ストレスチェック法制化の社会的背景
自殺大国と言われる日本において、自殺と精神(メンタル)疾患の関連性が強いことから、厚生労働省ではメンタルヘルスへの取り組みに力をいれてきました。
メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業場の割合は、平成23 年の43.6%から、平成24 年には47.2%に増えていますが、従業員数が50 人未満の小規模事業場においては、依然として取組が遅れているなど、総合的なメンタルヘルス対策の必要性は引き続き高く、特に小規模事業場における対策の促進が必要とされています。(2013年12月厚生労働省労働政策審議会安全衛生分科会報告より)
企業のメンタルヘルス対策の取り組み
取り組まない企業の理由
「必要性を感じない」をあげる事業所の割合が42.2%ともっとも高く、次いで「専門スタッフがいない」が35.5%「取り組み方が分からない」が31.0%となっています。
過去1年間にメンタルヘルス不調で1カ月以上の休職または退職した労働者の有無と、取り組んでいない理由の関係をみると、休職・退職者がいない事業所では46.5%と約半数が「必要性を感じていない」を理由に挙げ、休職・退職者がいるところでは「取り組み方がわからない」が52.1%と過半数に達し、次いで「専門スタッフがいない」(45.9%)が続きました。また、休職者・退職者がいて21.5%の事業所が「必要性を感じない」としてメンタルヘルスケアに取り組んでいないのが目立っております。(H23年6月23日(独)労働政策研究所・研究機構調査より)
取り組む企業の理由
企業パフォーマンスへの影響として64.9%の企業が「密接に関係がある」「関係がある」と回答し、このような経緯や社会的背景を受け、2014年6月に労働安全衛生法が改正&公布されました。
この労働安全衛生法改正によりストレスチェックが義務化されると、50人以上の全事業所でストレスチェックを実施しなくてはなりません。(50人未満の事業所は、「当面」努力義務)
「法律だから仕方なく実施する」というのも理由の一つですが、これを機会に、組織と従業員の為になるストレスチェック(メンタルヘルス対策)を実施し、よりよい職場環境づくりを目指しませんか?
必ず知っておきたい改正法のストレスチェック制度のポイント
1.1年に1回、定期に、ストレスチェックを実施
2.施行日は2015年12月1日
3.50人以上の事業所では義務!
4.実施者は「医師、保健師等」
5.労働者は受検を拒否できる。
6.うつ病のスクリーニング(発見)ではない。「未然予防」が目的とされている。
7.健康診断として実施するのではない。
8.改正法:第六十六条第一項中「を行なわなければ」を「(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければ」に改める。
9.会社は本人の同意なく結果を知ることができない。
10.職業性ストレス簡易調査票の57項目
11.該当者で申し出た従業員へ医師の面接指導の実施
12.面接後、医師の意見を聴取し、必要に応じ就業措置の実施
13.検査を受けないことや、面接の申し出をしないこと等での、不利益取り扱いの禁止!
14.労働基準監督署への結果報告
15.集団的分析と職場環境改善(努力義務)
ストレスチェックの方法
ストレスチェックの方法は質問用紙で、57項目に回答します。
法改正ストレスチェック制度では、「職業性ストレス簡易調査票」(57 項目)とすることが適当である。」と厚労省が明示しています。(2014年12月17日厚労省検討会報告書等より)
職業性ストレス簡易調査票とは、平成 7~11 年度に労働省(現:厚生労働省)の委託研究「作業関連疾患の予防に関する研究」に関する、東京医科大学のストレス測定グループの研究成果物です。
※東京医科大学のHPから、プログラム一式をダウンロードが可能です。
回答結果を上記HPからダウンロードした「職業性ストレス簡易調査票」のエクセルに入力してオペレーションを実施すると、個人のストレスチェック結果が出力されます。
厚労省が推奨する職業性ストレス簡易調査票の結果通知
厚生労働省が推奨しているストレスチェックの通知要件が6つあります。
<行政が求めている個人結果通知の要件>
①レーダーチャートなどでわかりやすい方法を用いること。
②医師又は保健師による検査であることから、医師等の記名押印が必要。
③高ストレス者である場合は、面接指導対象者であることを通知すること.
④事業者への面接指導申出の方法(事業場ないの担当者)
⑤ストレスへの気付きを促し、セルフケアへのアドバイスを伝えること
⑥相談窓口に関する情報提供をすること。
※画像はイメージです
ストレスチェック制度実務で会社がやること10か条
2014年12月17日厚労省検討会資料よりストレスチェック制度実務で会社がやること10か条をご説明いたします。
①事業者の方針表明
ストレスチェックへの取り組みを明文化!
②衛生委員会での調査審議
ストレスチェック制度導入運用について、国が定める約30項目にわたる詳細を審議しなくてはなりません!!
③社内規程類の整備
衛生委員会で審議した、30項目以上にわたる詳細を社内規定にしなくてはなりません!!
④従業員周知と情報提供
ストレスチェック制度への理解を促し、事業所の方針を周知しなくてはなりません!
⑤ストレスチェックの実施
職業性ストレス簡易調査票の57項目を実施し、個人の結果通知時の要件を満たさなくてはなりません!
⑥医師面接指導の実施
面接指導対象者で希望した者に面接指導を実施しなくてはなりません!費用は会社負担です!
⑦医師からの意見聴取と就業措置
国が定めた項目について医師から聴取し、必要に応じ、就業措置を実施しなくてはなりません!
⑧集団的分析と評価
ストレスチェックのデータを集計・分析します。国が、努力義務として定めています!
⑨職場環境改善
メンタルヘルス不調者の出ない職場環境づくりはもとより、従業員の生産性や定着率、満足度を向上させます。
⑩労働規準監督署報告
国が指定する5項目について、労働基準監督署へ報告しなくてはなりません!
当事務所のサポート
当事務所では、ストレスチェック、メンタルヘルス対策の導入・運用にあたって、以下のものを提供しており、企業をサポート致します。お気軽にお問い合わせ下さい。
1.ストレスチェック基本方針策定他、ストレスチェック導入・運用コンサルティング
2.ストレスチェックの実施代行業者の紹介
3.職場集団分析コンサルティング
4.集団分析を基にした診断コンサルティング
5.セカンドオピニオン精神科産業医の紹介
6.「なんでも相談ダイヤル」福利厚生サービス業者の紹介
7.その他、職場復帰規程等の作成
8.セミナーの開催